獣がい対策で農村の未来を創る
~人と野生動物が共生する豊かな里地里山を継承するために~
日本の里地里山には、ゆたかな自然と調和した人の暮らしがあり、長年継承されてきた伝統・文化があります。ところが近年、このような豊かな里地里山の暮らしの継承が脅かされています。各地の農山村でサルやシカ・イノシシ等の野生動物による「獣害」が深刻な問題となっているからです。被害を効果的に防ぐ方法はありますが、農村では人口の減少、高齢化により獣害対策を行なうための意欲や労力が減退している状態です。
とくに山際に立地している地域は野生動物の被害にあいやすく、獣害対策を行うために大変な苦労を強いられています。さらに押し寄せる高齢化や人口減少、後継者不足の問題もあり、獣害対策を継続的に行っていくための気力や労力もままならない状態となっている地域も少なくありません。
そこでさともんでは、行政や関係団体と連携して、限られた力で懸命に取り組む地域の獣害対策を支援するとともに、後世に伝えたい里地里山の豊かさを可視化し、共感してくれるさまざまな人で共に守り、わかちあい、継承するネットワークづくりを行うことで、地域と支援者をGift-Giftの関係で結んでいきます。
獣害対策をきっかけに、今までなかった新たな交流を生み出し、守り伝えたい地域の魅力をみんなで共有・発信していくことで、獣害を解決しながら地域の活性化までを支援していきます。
地域に与える負の影響から「獣害」と表記されることが一般的ですが、本来、野生動物は豊かな里地里山の構成員であり地域の魅力の一つです。
私たちは「獣害」を「獣がい」という言葉に変えたいと思っています。
確実な手法で「害」を軽減するだけでなく、獣の存在はそのままに、多様な人材の参画により、新たな交流や共感を生む前向きな「獣がい対策」を推進し、地域を元気にすることを目指します。