伝統的な農林水産業を継承し、6次産業化などに取り組んでいる地域を認定する国の「日本農業遺産」に兵庫県丹波篠山市の「丹波篠山の黒大豆栽培」が新たに認定されました。
丹波新聞記事↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/c6f546aca6ae82529190a4bf24b2cc96fa83485b
これは、丹波篠山にとって大変うれしいニュースです。
さともんも、農村と都市が連携して地域の獣害対策を支援しながら、耕作放棄地を活用して特産品の黒豆畑を再生するプロジェクト「『獣害から地域を守る』丹波篠山黒豆オーナー」を2017年から丹波篠山市安口・川原の両集落で展開して年々オーナー数が増加しています。
経緯は⇒「獣害から地域を守る」丹波篠山黒豆オーナーをごらんください。
実は、この年始にさともんは 『2020年度ふるさと名品オブザイヤー地方創生賞』の「コト部門」に、以下の内容で「黒豆オーナー制度」をエントリーしていました。本日、日本農業遺産に若干遅れてその発表があったのですが、残念ながら賞には選出されませんでした。
日本農業遺産の認定に、花を添えられれば最高だったですが・・・残念でなりませんが、今回エントリーするために、取り組んでいることや、オーナーの皆さまや地域の方の反応、PRポイントなどを改めて推敲していて、改めていい制度だなぁと思ったので、↓のとおり、申請内容を公開したいと思います。
よろしければ、読んでください!
関係人口とともに地域課題を資源に変える挑戦!
「獣害から地域を守る」丹波篠山黒豆オーナー
取り組みの概要
私たちは、獣害が原因で放棄された農地を地域の特産品である黒豆畑として再生するプロジェクト「『獣害から地域を守る』丹波篠山黒豆オーナー」を通じて、農村と都市が力をあわせて地域の獣害対策と活性化に挑戦するモデルづくりを行っています。
丹波篠山市特産の黒大豆(丹波黒)は「世界一大粒」とされる大豆で、漆黒の色つやと芳醇な香り、もちもちとした食感から黒豆の中でも最高級品とされています。現在「丹波黒を育む丹波篠山システム」が農林水産省の日本農業遺産に申請中で(1次審査を通過中)、社会や環境に順応しながら何世代にもわたって継承されてきた営みは次世代に守り伝えていかなければいけない大切なものです。
一方、「黒大豆」の主な生産者は60-70代と高齢化しています。人口減少・高齢化により生産者が減少すれば、かけがえのない特産品が消滅してしまうだけでなく、耕作放棄地の増加、草刈り等の管理不足により、長年守られてきた美しい景観が悪化します。さらに、追い打ちをかけるようにシカ・イノシシ、サルなどによる獣害問題が年々深刻化して離農を早めるなど要因になるなど、農村にとって苦しい状況が続いています。
そこで、私たちは地域の方と協議をし、シカやイノシシの隠れ場・潜み場となっていた耕作放棄地を地域外人材とともに黒豆畑として再生することで獣害対策を推進し、共感していただいた全国各地のオーナーへ産地ならでは味をお届けする「獣害から地域を守る」丹波篠山黒豆オーナー制度を始めました。オーナーには年4回に分けて成熟度が次第に増してく黒大豆をお届けしているほか、2週に1回の頻度で地元の農家の方と近郊都市部からのボランティア、当団体のスタッフで黒豆畑の農作業のほか、集落の獣害柵の点検を行ったり、草刈り清掃活動に参加したりするなど、高齢化する地域の担い手不足解消のための支援活動を展開しています。
黒豆オーナーは2017年度から開始し、2019年度は40名のオーナーと延べ77名のボランティア活動、2020年度は57名のオーナーと延べ112名のボランティア活動に参加をいただいており、中にはオーナーからステップアップして地元農家に弟子入りし、毎週丹波篠山に通って就農準備を始める方が現れるなど、着実にその輪を拡大。黒豆オーナー制度を発展させていくことで、地域課題の解決と活性化に貢献する関係人口を拡大し、獣害という負の課題を資源に変える挑戦を展開していきます。
PRポイント
【地元だけが知る4度の旬をお届け】
丹波篠山の黒豆といえばおせち料理の煮豆が有名ですが、最近では若さやを枝豆として食べる「黒大豆枝豆」が人気です。その大きさ、独特のこく、甘み、食感は枝豆の中でも最高級の美味しさで、関西では知る人ぞ知る秋の味覚となり、お正月用の乾燥黒豆と人気を二分しています。一般的に黒枝豆の旬とされるのは10月中旬ですが、コクや旨味が凝縮されて地元の方に好まれるのは10月下旬です。さらに珍しいのは鮮やかなピンク色になる11月中旬の希少な黒枝豆。時期が深まるにつれて外さやが茶色く変色していくので市場に出回りませんが、この豆で炊く黒豆ごはんは最高!最後におせち料理用の乾燥黒豆と、地元だけが知る黒豆の4度の旬をオーナーの皆さまに味わっていただいています。季節が深まるほどに変化していくその味を食してみれば、美味しさにとりこになってしまう野生動物の気持ちがわかってしまうかもしれません。
【プロセスを共有して愛着・共感が深まる】
遠隔地から現場の様子が分かるように随時SNSで黒豆の生育状況、野生動物の出没や対策の状況、台風や大雨などの影響、四季折々の地域の魅力など情報発信。丹波篠山の黒豆が成長していくストーリーを知っていただけます。過去の参加者からは「黒豆の生長や作業の苦労を知り、実際に収穫して食べた黒豆は未だかつて食べたことのない美味しい黒豆でした」「獣害対策についても色々学ぶことができ、日本の農業や伝統食を守る活動の大切さを痛感しました」「今まで黒豆は高いと思っていたけど、もっと高くてもよいと思った」などの感想をたくさんいただいています。
【美味しく楽しく地域活性の輪が広がる】
現地では、苗植え、収穫、選別、みそづくり等のオーナー限定イベントを別途開催。黒豆はもちろん夏野菜や新米、ジビエなど旬の地域食材を食べて地域の方々と交流しながら、獣害の状況や農村の課題を知り、外部目線を活かして地域に潜在する豊かな資源や魅力に光を当て、地域を元気にするためできることをみんなで考えています。イベント以外にも2週間に一度のボランティア活動で、黒豆栽培のほか、獣害防護柵の点検や草刈りなど地域支援活動を展開。参加すればするほど苦労を知るとともに、みんなで力を合わせて野生動物から守った黒豆を収穫する喜びが味わえるため、地域に寄り添いながら地域貢献をする「関係人口」の獲得に寄与しています。
2021黒豆オーナー募集開始!
ふるさと名品オブザイヤーは獲れませんでしたが、丹波篠山が誇る美味しい黒豆を味わい尽くせて、「日本農業遺産」の黒豆を守ることに貢献できる「獣害から地域を守る」丹波篠山黒豆オーナーは2021年度のオーナー募集を開始しています!
ぜひ日本農業遺産を祝して、黒豆オーナーになってくださる方、募集しています!