鳥獣害対策の合意形成

とある農業系雑誌からの依頼で「鳥獣害対策の合意形成」というタイトルで短い原稿を書きました。

最初「農家(地域)との合意形成」というお題を与えられていて、被害を解消・減らそうとする「鳥獣害対策」で農家や地域の方と合意形成をするって一見当たり前のことに思えるけど、実際はそうではないよなぁ、という冒頭から、それは何故か、実際現場でよくあるエピソードや声から、合意を形成しようとする立場として踏まえておかなければならないことを簡潔に紹介しました。

ざっとまとめると、鳥獣害対策の「手段」「主体」「目的」の3つの点で認識に不一致が生じやすく、それらをどう解消するかという中身です。そして自分自身として注目というか、今もっとも力を入れているのが「目的」の部分です。丹精込めて育てた農作物が被害にあう、そんなインパクトの大きさから「加害動物を捕獲してほしい」「被害をなんとかしてほしい.」など、獣害対策を他の主体に求めがちだけれど、本来獣害対策とは「手段」です。「目的」は紛れもなく自分や集落のためであって、鳥獣害が解消されたあとに、やりたいことや実現したいことがあるはず。何のために獣害対策を実施していくのか、その本来の「目的」について地域で考え、獣害対策の位置づけや実践しようとしている手段の妥当性を考えることは極めて重要だと考えます。そして、そのためには「研修会」など一方向的な知識や技術を伝達するのではなく、ワークショップなど住民同士の対話を重視して、時間をかけて合意を形成していく必要がある。そう考えると、獣害対策においてもっとも重要な合意形成とは、「地域との合意」ではなく、「地域内の合意」をいかに形成していくかだなぁと思って、タイトルを若干変更しました。

実際、この部分というのはもっとも難しいところだと思うけど、いろいろ経験や試行を重ねていると、だんだんとアプローチが見えてきます。というより、過去のトライの「結果」や「蓄積」がそのアプローチをよりやりやすくしていくというようなイメージで、それこそが実践の強みであり、理論との違いのようにも思います。今、クラウドファンディングをやってますが、それもその試行の一つであり、鳥獣害対策とめちゃくちゃ相性がいいなと、思っていたりします。そしてその実績を重ねるほど、次のトライをやりやすくさせていきます。なのですでに目標は達成していますが、まだまだ結果を出していかないといけません。それがまた未来へとつながっていくから。拡がりを生んでいくから。

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