サル対策モデル集落づくり①

【鳥獣害対策の目的は ①】

今年度、京丹波町でサル対策モデル集落づくりを支援しています。

役員さんとの1回打ち合わせした上で集落座談会を2回実施しました。

座談会はできるだけ皆さんに話してもらうようにサルの出没や被害情報の共有をしサル対策をするうえでの課題についてたくさんあげてもらいそれらについてどうすればよいか専門的な立場から提案をしました。

2回目はそれをふまえて集落として誰が何をどうしていくかをみんなで話し合いました。僕の仕事は話を引き出しながらそれをホワイドボードにまとめていくことです。そうすると、だいたいやることが明確になってきました。ここまで一切パワポやスクリーンは使いませんでした。こちらからのプレゼンはなしです。

しかし、話し合いの中で生まれてくる疑問・質問にその都度答えながら対話の中でやることを決めていく方が皆さんの納得感を引き出せている感覚があります。

自分たちで出している提案なので主体性が生まれます。

こちらはこちらでただ単に出される意見をまとめているわけではありません。専門的な立場からある程度被害を効率的に減らす方向性を軸に話を展開していく必要があると考えています。なので質問や疑問に答えながら、軌道修正をしていきます。ここは経験のなせるワザかもしれません。

そして、もう一つ最近使っているワザは「もし被害がなくなったらやってみたいこと・再開したいこと」を挙げてもらうことです。本来やりたいことや、夢をあげてもらい可視化するのです。すかさず、それを発表してもらいます。「そんなんないわー」とかちょこっとはにかみながらも心に染みる夢を語ってくれたりします。(その場に女性がいた方が絶対いいです。)これがだいたいみんなの共感を生みます。そして最後に言います。「そのために、今がんばってみませんか?」 

——–さぁ、次回はいよいよ自分のプレゼンだ!といつものパワポと動画でわかりやすく説明するぞーと思っていたところコロナの第3波の緊急事態宣言で研修会は中止に。。。しばらく間隔が空いてしまって、どうなってるかなぁ?と思っていた宣言明けに先日、役員さんとの打ち合わせがありました。

そこで出てきたのが、この写真です。これは集落側で用意してくれた資料です。■「春に『エンドウ』、夏に『トウモロコシ』を収穫したい」メインテーマ(目標)とそのための手段が見事に出来上がっていました。鳥獣害ってその被害やインパクトの大きさから加害動物を何とかしてほしい捕獲をしてほしい被害をなんとかしてほしい…など対象を動物に、主体を行政に求めがちですが本来、何のために対策をするかが、重要です。それは紛れもなく自分や集落のためであって鳥獣害が解消されたあとに、やりたいことや実現したいことがあるはずなのです。被害の大きさ・無力感からそれが見えなくなり本来手段であるはずの対策が目的化してしまうのはよくあることです。しかし、目的なくしてなかなか頑張れません。支援する方もしがいがありませんよね。地域の方がこんな些細なこと・・・と控えめになったり過少評価しがちですが、そこにめちゃくちゃ価値があります。「春に『エンドウ』、夏に『トウモロコシ』を収穫したい」どちらも、サルがいるところではまず収穫できないしょうがないから、作るのをあきらめてしまう代表的な作物。しかし、サルに食べさせるのはもったいない!とれたてのエンドウ、トウモロコシの美味しさそれを自分で作る、子どもや孫に食べてもらうその喜びや価値を僕は知っています。

その夢は必ず叶えましょう。しかし、自分のプレゼンってホントいらないんだな、というかプレゼンすることが目的になっちゃいけないな、もうこれからパワポは捨てようと強く認識させられた出来事でした。(実際は、内容や時間によってそのへんは使い分けます)

———–共感してくださった方、参考になったって方は↓でぜひ応援してください!人手不足解消による同時解決に挑戦中!

「20歳以下人口ゼロの集落をみんなのふるさとに」

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