サル対策モデル集落づくり②

【鳥獣害対策の目的は ②】

今年度、京丹波町でサル対策モデル集落づくりを支援しています。

集落の代表者数人との来年度の対策の進め方について、打ち合わせしていたときのこと。この集落では、みんなで対策をする、追い払いをする必要性を感じてくれて、情報共有のためにLINEグループを作っています。サルの出没や追い払いの実施報告などをLINEグループを作って、共有しています。現在、1集落内で20名ほどの登録者がいるとのこと。100戸ほどある大きな集落なのでまだもう少し50人くらいまでは登録者を増やしたいそのためにはどうしたらよいか・・・アイデアを考えていました。また、対象となる群れはこの集落だけでなく、もっと広い行動域を動いてるので隣接する集落や他地域の集落とも情報が共有できるよう、来年度はこのLINEグループに他地域の人も登録してもらうよう呼びかけていこうという話になりかけました。サル対策を効率化するためにはいい案です。

ただ、会議に参加した唯一の女性の方が少し気乗りしていないようでした。そこが気になって、話を聞いてみたところLINEグループに女性の方にも入ってもらうように呼び掛けていてLINEグループ、今、みんなで楽しみにしてやっている。サル情報だけでなくて、ふきのとうとれたとか、そういうなんかちょっと楽しくなるやりとりもしている「サル出てこんかいのぉ。出てきたら書けるのにのぉ。楽しいLINEやから」そう言っている人もいる。集落内の知った顔やから、しょうもないことや冗談交えてやりとりできるけどよその人も入ってきたら、そんなやりとりができんくなるわぁ。とのことでした。

サル対策の効率化を考えると広域で情報共有するのが一見よいようにも思います。しかし、やっぱり立ち返らないといけないのは獣害対策は手段であって、目的は獣害を克服したあとに残していきたいもの、達成したいことそれは何かということを考えないとということです。ここでは、LINEグループを通じてコミュニケーションが促進されていること。サルが出てくるのを待ち望むほど楽しいLINEになっているここが重要です。

広域化によって、そこは損なわれたらあかんな、ということで今のこの集落のLINEグループの広域化はやめましょう、やるなら別のグループを作って代表の方が何名か入って広域で情報共有をしましょう。と軌道修正をしました。専門家はついつい、専門知でものごとを判断しがちです。1回の研修会で・・・など与えられた時間が短いほど、効率よく話をしないとと考え、一方向的な押し付けになりがちですね。こういうことがいろんな場面で起こっているんだろうなぁと自戒をこめて思うのでした。そして、じっくりと集落の方々とコミュニケーションをとりながら進めていける支援が必要だと思います。

何をともあれ、おばちゃんたちが楽しみにしているLINEグループの実態が知りたくて、僕もLINEグループに入れてもらいました。心なしか、その後のLINE情報が聞いてたよりも真面目(よそいき)な感じがするんだけど・・・気のせい?あ、誰か知らんやつ入ったと思われてる?早くLINEメンバーのみなさんと顔を合わせたサル対策+αの座談会をやりたいものです。エンドウとトウモロコシをたらふく収穫できるようにして、びっくりさせたい。

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「20歳以下人口ゼロの集落をみんなのふるさとに」

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