ビワ園をサルから守る

過去にさともんで設置したある地域のサル用電気柵の点検に行ってきました。

山間の傾斜地のビワ園をサルから守るというなかなか困難ミッションですが、注意点をいくつか守ってもらえれば防げなくはありません。その注意点を守ってもらうという条件付きで、サル用電気柵を設置しました。

設置から3-4年が経過し、サルから守りきれていないということで、今回現地で点検を行いました。現地を確認してみると、いくつかサルが侵入できるポイントができていました。

1枚目の写真は、メッシュと1段目の電線の隙間が大きく空いていました。メッシュと電線の隙間がこれだけ空いてしまっては、サルは簡単に入ってきます。

2枚目3枚目は、柵のすぐ隣に飛び込んで入れる経路が作られていました。

なぜ、このようなことになったのか?この農地の農家の方はいらっしゃらなかったですが、対応から推測するに、おそらくシカの侵入を恐れての対応だと思われます。

シカついては皆さん、上部からの飛び込んで入ることを警戒するんですが、いきなりそのような行動をとる前に、たいてい探査行動をして電線に触れてくれるので、適切な電圧を常に流しておけば、シカでも十分守れる柵になっています。

でも、そのことが十分理解してもらっていなかったので、このような対応をとってしまわれたのだと思います。

ちなみに4枚目は、柵の上部でサルが飛び移れる範囲内で枝がありました。

これについては、飛んで入ってくる可能性があるので、枝を払うなどの対応が求められます。設置時に指摘していたのですが、そのままになっていたようです。

あとは適切な電圧が常に流されているか・・・ここも怪しい部分があったので、役所の方に伝えておきました。

電気柵は適切な設置・管理を行うことで、高い防除効果が期待できますが、その適切な設置・管理ができていないことが多くあり、そのため被害をうまく防げていないケースが多々あります。

効果を出すためには、正しい知識・情報を伝達することがまず重要ですが、この点がまだまだきちんと情報として伝わっていません。どのようにしたら、もっと情報を伝えられるのか・理解が得られるのかを十分に考えていく必要があると思います。