春来に電気柵を設置しました

クラウドファンディング『獣害に苦しむ春来に収穫と喜びの笑顔を取り戻すための力を貸してください!』にご支援を頂き、本当に有難うございました!

8月21日(土)、22日(日)の2日間で、シカ・イノシシからそばを守るための電気柵を設置いたしました。たくさんの皆さまにご支援いただいたおかげで、当初2つの農地の予定でしたが、大きな農地を1つ追加し、計3つの農地に電気柵を設置することができました。



電気柵を設置してひと段落・・・といきたいところですが、ここからが獣たちとの闘いのスタートです。今回電気柵を設置したどの農地もシカやイノシシの足跡がたくさんついており、周囲の山からは獣道が色濃く残されていました。

集落内の稲刈りを控えた田んぼでは、あちこちでイノシシの被害が発生していました。

どの農地も電気柵を設置しているのですが、電線間隔が少し広いなどわずかな隙を突いて、田畑に侵入してきているようです。

今回のプロジェクトで実証試験を行い、積雪地でのより効果的な電気柵の使用方法を確立し、皆さまにご支援いただいた3つのそば農地を守ることだけでなく、集落内外の被害を受ける農地を守り、農業を継続していくことにつなげていきたいと考えています。

皆さまに頂いたご支援がより大きな効果となって獣害に苦しむ地域に還元できるようにしていきたいと思います。どうぞ引き続き、見守っていただければ幸いです。

春来クラウドファンディングプロジェクトチーム一同

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以下、電気柵の設置状況を詳しく報告しますので、興味のある方はご覧ください。

8月21日(土)
①1つ目の圃場

朝7:00集合で作業を行いました。最近は雨が続いていましたが、なんとか天気は回復してくれました。

まず、公民館前で電気柵の支柱(FRPポール2.1m)に柵線を支える金属フックをとりつけます。後ほど打ち込み器でポールを30cm打ち込みますので、下部から40cm上部から60cmの間にクリップを集中させておくと作業がしやすいです。

1つ目の農地に移動してまずは草刈り

支柱を設置するライン上に草刈りを行いました。

3mおきに支柱を打ち込んでいきます。打ち込み器があると作業がしやすいです。支柱は20mmと26mmの2種類を用意しました。太い支柱は強度が強いのでコーナーなど内側に引っ張られやすい場所に使用します。

支柱を周囲にすべて打ち込んだら、フックの高さを調整します。フックの高さは地面から20cm間隔にします。

こうやると張りやすいです。

今回、20cm間隔で6段の電気が流れる柵線を張りました。一番上は6段目から30cm間隔をあけて白い線を張っています。

一番上の白い線は飛び込み防止のために張りましたが、電気を流していません。イノシシはもちろんですが、シカでも通常この高さは地面に足をつけたままは触らないからです。

通常は、5段ほどで3-5段目はもう少し間隔をあけても十分効果はあるのですが、春来のシカは電気柵に対して警戒心を薄めているようなので、念のため6段の電気線と飛び込み防止線を合わせて7段としました。

電気柵の効果をあげるポイントの1つは柵線の間隔です。こういった水路など段差があるところは、線の間隔が広くなりがちなので、支柱を追加するなどして、適切な柵線間隔を保つことが重要です。

こういうところはワイヤーメッシュを使って防ぎます。

電気柵の効果をあげるもう一つのポイントは、電圧です。電気を流す設置延長に十分な電圧を流せる力のある電気柵本器(パワーユニット)を使用する必要があります。今回約260mの圃場に6段の電気を流す柵線を張りましたので、2000mまではカバーできる本器をしようしました。

計測すると7.5kv(7,500v)の電圧が流れていました。十分な電圧です。

人が直接触っても強い電気ショックを感じます(アンペア数は少ないので人体に影響はありません)ので、草を使ってピリピリを体験中です。

②2つ目の圃場

午後は2つ目の圃場です。

午後は春来集落の皆さんにもお声かけし、研修会を兼ねて柵の設置を行いました。

この日は、日本海新聞やサンテレビが取材に来てくれました。また普及センターが普及用の動画を作成するための取材も受けました。

2つ目の圃場も完成です!

8月22日(日)
3つ目の圃場

3つ目の圃場は広大だけど平坦な地形です。この日はさともんのメンバーは参加できず、地域だけで作業を実施していただきました。

こちらも足跡がたくさんついています。

こちらの圃場は電気柵設置の傍ら、そばの播種も行いました。

こちらも6段+1段無事完成!

電圧も6.8kv(6,800v)十分出ています。

21日に設置した2つの圃場は、お盆前から続く長雨の影響でまだそばの種まきはできませんでしたが、土が乾き次第播種を行う予定です。

まもなくそばの芽が出始めた頃から、シカが新芽を狙ってやってきます。電気柵で無事守ることができるか!?これから注意深く見守っていきます。

夜間行動する野生動物の姿をとらえる自動撮影カメラ(センサーカメラ)も取り付けました。うまく撮影できるか分かりませんが、電気柵に対する野生動物の反応が確認できれば、今後の普及していくための資料にもなります。

また、撮影できれば皆さまにもご報告いたします!

以上、長くなりましたが、電気柵設置報告でした!まずは、無事3つの農地に電気柵が設置できましたこと、改めて皆さまに感謝いたします。