シカ対策の現場

午前中に市内のとある農家の方からの依頼で、シカ対策の現場に行きアドバイスをしました。

共有しておいた方がよいと思うので、助言したポイントを紹介します。

電気柵の効果を出すために、重要なポイントは

①柵線の間隔を適切に保つこと(対象種に応じて)

②柵線を張っている限り、適切な電圧(5,000V以上が望ましい)を常に流しておくこと

あとはアスファルトやコンクリートは電気を通しにくいの、アスファルト沿いに電気柵を張らないこと(動物の前足が地面につくように設置する)草が柵線に絡んで漏電しないように草刈りをするなどもありますが、

まず電気柵の特性を理解して、①②をきちんとしておくことが大事です。

シカ・イノシシ両方出没するとこだと、地面から20cm、20cm、20-30cm、30-40cm、50cmの5段の間隔で設置し、動物が地面に足をつけた状態で、鼻先に柵線を触らせて感電させます。

皆さんシカは飛んで入ってくるイメージがありますが、シカにとっても飛ぶことはリスクがあるので、飛ぶ前に隙間が大きければ、そこをくぐっては入ってこようとします。高さを確保しようとして、隙間が大きければ、リスクを犯さずそこから楽々と侵入できます。(柵線を節約するなら、一番上段はタダの紐でもよい)

間隔が適切だと、鼻先で探査行動をして柵線に触れようとします。そのときに強い電気ショックを与えることが大事で、そのためにはいつも適切な電圧が流れている状態にしておく必要があります。

線は張ってあるけど、電気が流れていない電気柵が一番よくないケースで、せっかく最初動物が警戒して時間をかけて触ってくれても、電気ショックを受けないので、警戒をなくしてしまい、くぐったり、突っ込んだり、大胆な行動をとるようになってしまいます。

収穫後も守るものがない冬の間も、線を張っている以上は、常に電気は通しておいた方がよいです。思いがけない理由で電圧が下がってることが多々ある(本当に多々ある)ので、定期的に電圧をチェックしておいたほうがよいです。数字で電圧が分かるタイプのデジタルテスターがおススメです。

ちなみにさともんの黒豆オーナーの畑もシカの被害が酷くて耕作放棄された畑を再生してやっていますが、1回もシカの被害にあったことがありません。正しく使うと効果があります。正しい防ぎ方をもっと普及していく必要があります。https://peraichi.com/landing_pages/view/kuromame2021/