petit prix プティ プリ で目指す3つのこと
お盆前の大変お忙しいなか、おとわの森子育てママフィールドの開所式にご参列いただいた皆さま、日頃からさともんの活動にご支援・応援いただいている皆さま、誠にありがとうございます。
こうして無事に開所式を迎えることができ、地域の皆様、関係者の皆様のご支援ご協力、そして、今日にむけて暑い中、毎日施設の片付け・掃除に奮闘してくださった市役所職員の皆様にも感謝いたします。
改修されたあたらしいおとわ園「子育てママフィールド」を、さともんが運営させていただくこととなり、大変光栄に思いつつも、その重責に身が引き締まる思いです。
旧おとわ園の跡地活用の話があったときから、さともんがどのように、この施設を運営させていただけるかということを考えてまいりました。以下に3点ばかりにまとめて、抱負として記させていただければと思います。
①名前のとおり、子育てママのための施設です。
悩み多き子育て。多くのママは家事や仕事をこなしつつ、「自分の時間」をなかなか持つことができないことにヤキモキしながら、日々奮闘しています。本来ならパートナーや家族が分担し、負担を軽減しなければいけないのでしょうが、現実は十分な協力が得られていない家庭が多いのではないでしょうか。近年では、篠山でも交通や生活の便を求め住宅地などでは核家族化が進み、孤独に悩みを抱えているママも多いかもしれません。
子育てママフィールドは、そんな子育て世代のママたちが、子育てに関する悩みをお互いに共有・支援し、解決する場所を作っていく、明日からも頑張ろう!と思えるような癒しの空間をつくっていく、そんな拠点にしていきたいと思っています。
この子育てママフィールドの愛称「プティ プリ」という言葉は、フランス語で小さな贅沢という意味です。子育ての悩みを相談・共有しながら、ママでありつづけるためにちょっと一呼吸し、自分なりの「小さな贅沢」を見つけて味わっていただき、明日への活力としていただける、そんな施設にしていきたいと思います。
②篠山の豊かな資源を活かした子育て・子育ちのあり方を考える。
2つめは篠山の豊かな自然環境や伝統・文化に身をおいて、子育て・子育ちにどのように活かせるかを、地域全体で考え、発信していく場所にしたいということです。
言うまでもなく、篠山は豊かな自然環境そして農産物に恵まれています。地域にも歴史や文化があります。他地域から移住してきた立場だからこそ実感するのですが、日々の食卓のお米を毎日美味しいと思うこと、新鮮なもぎたて野菜をいただいたり、自分で作ったりできること、少し足を伸ばせば、美しい清流や豊かな森があり、多くの生き物と触れ合うことができること、お祭り・伝統行事などへの参加…、これらは都会に住んでいては、なかなかできない経験です。このような環境で子育てできることは、都会にはない大きなアドバンテージであると思います。
隣接するおとわの森を活用したイベントや神戸大学と連携した「子育て・子育ちツキイチ勉強会」を開催することにより、篠山の豊かな資源を最大限に活かし、地域全体で支援していく子育て・子育ちの在り方について考え、発信していく拠点にしたいと思っています。
③子育てママの新しい活躍の場を創出する。
3つめは、子育て中・子育て後の女性の活躍、キャリアデザインをサポートする拠点を目指すということです。
子育て中のママのもう一つの大きな悩みが、子育て期間中に生じてしまうキャリアへのブランクではないでしょうか。出産・子育ては間違いなく重要なライフステージの一つですが、出産・子育てを機にそれまでの仕事や夢を一旦お休み、もしくは諦めざるを得ない、そんな環境に置かれている方は少なくはないかもしれません。一方で、これまでの仕事、趣味、学校で獲得した子育てママのスキル・知識がそのまま埋もれていってしまうとしたら、それは社会としても、非常にもったいない話です。また、子育て中に獲得できる新たなスキルやアイデアもあると思います。
そんなママたちのスキル・知識・アイデアを社会のために活かす新たな活躍の場を支援をできないかと考えています。一人では難しいことも、同じ立場のママ同士でネットワークをつくり、コラボしていくことで大きな力になる可能性もあります。そんなことを期待して、プティプリ内には、ママたちのためのコワーキングスペースを設けています。
とくに、篠山は恵まれた自然環境、伝統文化の一方で、その維持が課題となっています。
さともんも獣害対策という切り口から、豊かな里地里山を次世代に継承していくための支援を行っていますが、課題は多岐にわたり、山積しています。
豊かな篠山を次世代に守っていくために、より魅力あるまちにしていくために、ママ世代のスキル・知識・アイデア、そして行動力を活かさない手はないと思っています。ママたちによる新たなソーシャルビジネスの可能性を含めた活躍の場、子育て後のキャリアデザインを支援する拠点にしていきたいというのが3つめの抱負です。
以上のことは、すぐに実現できることではありません。子育ての当事者でもあるスタッフの主体性、利用していただくママたち、そして支援していただく多くの皆さま方のご協力のもとに、少しずつこうした環境整備を進めていきたいと思っています。
子育て支援拠点事業を民間の立場で運営させていただくにあたり、より柔軟な発想で、子育てママにとっても、地域にとっても大切にされる施設を作っていきたいと思っていますので、どうぞ温かく見守っていただければと思います。
NPO法人里地里山問題研究所(さともん)
代表理事 鈴木克哉